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第41回日本文化塾 講演会

中国太湖漁民の焼香活動『廟巡り』は
どのように復活したのか

講師胡 艶紅氏(筑波大学大学院人文科学研究科博士課程)
日時2015年6月20日(土曜日) 14:00~16:00(13:30開場)
会場きゅりあん(品川区立総合区民会館) 第1講習室
参加費会員 ¥1,000 / 一般 ¥1,200

中国共産党政権成立後、様々な政治運動によって社会の様々な側面に深刻な影響が現れた。特に、信仰の面において、それは深刻で、一時的に民間の信仰活動は途絶した。しかし、改革開放以降、政策が緩和されると、各地で信仰活動が復興してきた。こうした、復興について実証的な研究は十分に行われていない。本講演では、太湖漁民の「廟巡り」の活動を考察し、集団化時代や定住化を経た信仰生活の変容と持続を明らかにしたい。

講師略歴/
2006年8月来日。2010年3月筑波大学人文社会学研究科 国際地域専攻修士課程修了。同4月同研究科 歴史・人類学専攻一 貫制博士課程編入 2015年7月同課程修了見込。専門は、東アジア歴史民俗学。主要論文「現代中国における漁民信仰の変容」 (『現代民俗学』4)

参加された皆様の声

「廟巡り」は、神に加護を願う風習のうち豊作・豊漁を祈願する村祭りのような組織的な活動なのでしょうか。
(お話いただいた)組織的な活動は、中止や復活を見て取れますが、そのありのままを村民が気兼ねなく語ることが出来るようになったのかどうかが気になりました。
ところで、人類は、いつの時代も神に加護を願っているような気がします。 それを民間信仰とみなすのかどうかは別として、外見的な願う形式が変わっても、願う気持ちそのものが途絶えることはないであろうとと思いました。M

大変興味深い講義に参加させていただきありがとうございました。
歴史的なアプローチから、太湖の漁民による宗教活動の深層が丁寧にまとまっていました。 特に、一次資料を参考に民国時代における太湖漁民の焼香活動が考察されていました。
55の少数民族を含む中華人民共和国の漢民族に着眼点を置いて、深いところまで掘り下げていた部分は大変興味深く思いました。 聴く者に新しい知見を与えました。
しかし、研究史の上でこの研究がどのような位置づけにあり、且つ意義を持つのかを今後知る機会をいただければ幸いです。Y

 この百年ほどの太湖漁民の信仰動向の変遷を、民国期、共産党政権期、改革開放以降に分けて説明された。
講演は講師の博士論文がベースになっており聴き取や資料調査、引用文献も明示された学術的なもので、簡潔なレジュメと多くの写真や図表のOHPに沿った90分の講義は、珍しい話で興味深く、また内容の濃いものであった。
講義終了後の質疑も活発でいずれも面白かったが、特に中国共産党の漁民・漁村政策はとまどいの多いものであったとの指摘は、胸にストンと落ちた。H

ご案内の段階では何がテーマなのかよくわかりませんでしたが、内容を聞いているうちに徐々に面白くなりました。
天安門事件以降、資本主義経済が導入され政治は共産主義のままのアンバランスが今のところうまく機能し、まもなく世界一の大国になる見込みです。
一方、中国の宗教は共産主義の影響で、多くの人達は神を信仰できない状況にあるとばかり思っていましたが、実際は民間の土着信仰が全体の80%、五大宗教が10%、無宗教はたったの10%とは驚きました。
しかも、竜神、雷神などの超自然神に加え有名の人格神も多いとは、これまたびっくりです。H

講演を伺いながら、社会と宗教活動の根源的なかかわりについて、興味がわきました。
歴史上、宗教活動を排除して60~70年の経験を有する社会はソ連と共産主義中国しかないと思います。
その後で、共産主義のアンチテーゼとしてではなく、民間信仰として、今回のテーマの大湖の漁民の信仰活動が復活してきたというのは、人間の信仰心とは何か、どこからくるのか、といった哲学的なテーマに結びつくような気がします。
ある本によると、宇宙物理学のバリバリの先生方の多くが、無神論者であることを告白していました。 素朴な民衆が長い無神社会を通じて神を希求し、逆に最高知識階級の人達が神を否定する、ということに一寸興味を覚えました。S

ちょっとぎこちないように思われたのは、言葉のせいではなくて、内容的に不本意なところがあったからなのでしょうか。 とても知識の豊富な方で、質問にもきちんとお答えになっていらっしゃるところ感心いたしました。
中華人民共和国の最近のことは、私たちには現在正確に把握できないのですが、今回のお話はたいへん興味深かったです。O

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