第43回日本文化塾 講演会
衣食住を考えるⅢ “食す”京の料理とお酒の美学
講師 | 髙橋 拓児 氏(株式会社 木乃婦 代表取締役) 佐々木 晃 氏(佐々木酒造株式会社 代表取締役) |
コーディネーター | 須澤 晃氏(株式会社ヒューマン総研 社長) |
日時 | 2015年12月5日(土) 14:00~17:00 |
会場 | 同志社女子大学 今出川キャンパス 栄光館 |
参加費 | ¥2,000 (学生は¥1,000) |
プログラム | 基調講演(Ⅰ)「京の料理の美学」髙橋 拓児 氏 基調講演(Ⅱ)「京のお酒の美学」佐々木 晃 氏 質疑応答&パネルディスカッション 須澤 晃 氏 |
2013(平成25)年12月、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。更に外国人観光客の急増で、一層日本食が人気となり、特に「京のお料理とお酒」が、改めて注目されています。 「京のお料理」は、流行の健康食品やダイエットとして求められる料理だけではありません。世界無形文化遺産の背景には、うま味や伝統の再発見だけではありません。「京のお料理」は、その味もさることながら、その器と盛り付けかた、そしてお座敷やお庭などの環境、何よりもご一緒にお料理をいただく人々と共に創られます。京の料理の“美味しさ”の美学を追及し、その真髄に迫ります。 「京のお酒」は、かつて室町時代(1415年頃)には、洛中洛外合わせて342軒の造り酒屋が、軒を並べていました。現在、市内に数十軒とのことです。昨今、その復活と活性化が期待されるところですが、京のお酒は、全国から集まる高い品質のお米と、千利休が愛した良質で美味しく豊かなお水が産んだものです。お酒は、その土地のお料理を引き立てるものでありますが、京のお酒造りとその味わいの美学を探ります。
講演会の様子
参加者の皆様の声
今回の日本文化塾では、京都の真髄に触れることが出来たように感じました。
クリスマスを迎える質素な飾り付けの同志社女子大学栄光館(旧ファゥラー礼拝堂)の雰囲気と当代一流のお二人の講師による深いお話に、進むにつれて引き込まれ、自然に包み込まれていくような心温まる会となりました。
お料理こそ出ませんでしたが、休憩時間には寒絞りのお酒もふるまわれました。
素晴らしい企画をありがとうございました。SA
京料理木乃婦を受け継ぐ高橋拓児氏と佐々木酒造を受け継ぐ佐々木晃氏は、京都のお料理・お酒について、それらの特色を伝承する役割を果たしつつ、両氏はいずれも、さらなる「旨さ」の向上を追求していることがわかり、興味深いご講演でした。
「京のお料理」・「京のお酒」が代々受け継がれて根づいているということは、そのようなプロの営みによるのではないかと思いました。 なお、プロとして評価する「旨さ」の基準がわずかずつ変わっているかどうかは?ですが、近年、冷酒を注文する人が増えているように見受けられ、酒造りにおける変化がありそうな気がします。MT